高気圧酸素治療とは

血液に含まれる酸素の量は大気中の状態では限りがあります。周囲の圧力を高め、酸素の濃度を高くすることにより、血液中の酸素量を増やすことができます。高気圧酸素治療とは、専用のカプセルの中に高気圧・高濃度の酸素を吸入し血液中に多量の酸素を行き渡らせることで、病状の改善を図る治療法です。特に脳外科領域での治療件数の多い脳梗塞では、血管が詰まることにより酸素が届きにくくなっています。高気圧酸素治療により脳の隅々にまで酸素を送ることで脳細胞の働きを助け、麻痺の改善に効果を発揮します。また、リハビリテーション効果も高めます。脳梗塞以外にも、血液への供給により急性及び慢性のあらゆる低酸素血症の治療を行います。

当院では脳神経外科の専門医療機関としていち早く高気圧酸素治療を導入し、薬物療法などと併用することにより高い治療効果を得ています。

また、脳外科領域以外にも他施設からの紹介・連携し、腸閉塞や網膜動脈閉塞症などの治療も積極的に行っています。

適応疾患

  • 突発性難聴
  • 放射線障害(放射線治療後の合併症)
  • 骨髄炎または放射線障害
  • 難治性潰瘍を伴う末梢循環障害
  • 脊髄神経疾患
  • 放射線又は抗癌剤治療と併用される悪性腫瘍
  • 重症頭部外傷後若しくは開頭術後の意識障害又は脳浮腫
  • 腸閉塞
  • 皮膚移植
  • 脳梗塞
  • 網膜動脈閉塞症
  • 頭蓋内腫瘍
  • 急性一酸化炭素中毒

※当院では減圧症に対しての治療は受け付けておりません。